精神科

発達外来児童・思春期精神科病棟での取り組み

「発達外来 児童・思春期精神科病棟での取り組み」

松南病院 小児科医師 黒田 育子(専門:発達外来)
子供の発達には知的発達 体力・技能の発達 心(感情)の発達の三つがあります。
 知的発達での課題は50年前も現在もほとんど変わりません。しかし、体力・技能の発達は50年前より現在の方がつらい状況となっています。子供は大人のやることを見よう見まねで覚えていくものですが、50年前の家事と現在を比べると、大変便利となって、子供達が見よう見まねで覚えてきた技能が、生活の中になくなり子供達は、技能が身につかなくなっています。又、車社会で体力が落ちつつあります。

 感情の発達に関しては、少子化がつらい問題となっています。子供が減って、大人との生活となり(大人は当然何でもできます)子供は大人と自分を比べ自分が何もできないことを感じとります。子供は頑張りますが、どんなに頑張っても大人のようにはできず、劣等感が生じ依存心が強くなります。劣等感と依存心が子供を不安定にして感情の発達を妨げています。
 バランスの取れた発達とは何か?変わりゆく社会の流れを踏まえつつ考えていきたいと思います。

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